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最後の大会で・・・
本日2つ目です。
書くことはいろいろありますが、まずはこれから。

今年の都市対抗野球観戦の帰り、東京ドーム近くの山下書店
(競馬好きやドームによく行かれる方はよ~くご存知でしょうね)
で、『GLAND SLAM No.19』を買いました。
以前買いそびれてたのでね。

中心テーマとしては、第73回都市対抗野球の総括です。
いすゞ自動車が最後の大会で見事に優勝した大会ですが
この大会でのいすゞの強さは際立ってましたね。

激戦区、神奈川県大会では二次予選の決勝(第一代表決定戦)で
日産自動車に負けましたが、第二代表決定戦では日石三菱
(現新日本石油ENEOS)に延長15回、7-5のサヨナラ勝ちで
見事に都市対抗の本戦切符を勝ち取りました。

この大会がはじまる前に、いすゞはこの年限りの休部が決定していました。
言わば、最後だということが分かっていました。
選手たちの気持ちは察するに余りあります。

硬くなっても仕方がないシチュエーションですが、選手たちは非常に冷静でした。
もっとも、このチームにはよい選手が揃っていました。
投手陣では酒井泰志(専修大学)、岩渕秀和(専修大学)、馬場満裕(市立柏)
中窪望(桜井商業。中山製鋼から転籍)などの選手がおり
野手陣は長谷高成泰(専修大学。ちなみに妹さんはオリックスやメジャーで
活躍した長谷川滋利投手の奥さんです)、松本洋介(明治大学)、
藤澤英雄(法政大学)、佐伯真貴(熊本工大)といった選手いました。

さらに巴田誠(明治大学-日石三菱)、銭場一浩(東洋大学-東芝)
須田喜照(専修大学-東芝)、岡田新二(日本体育大学-日石三菱)
西郷泰之(日本学園-三菱ふそう川崎)といった選手を補強。
ものすごいチームとなりました。

あの西郷選手が「このチームは強いですよ」と断言しています。
それは、戦力云々だけではありません。
対戦相手としてはいい加減なチームだと思っていたそうですが(笑)
実際にチームに合流してみると、練習のムードは明るいものの
「ちょっとでも正確さを欠いたプレーが出ると、あちこちから
厳しい声がかかる。これって勝てるチームの基本でしょう。
それに、休部という悲壮感もないんですよね」(61頁)と分析しています。

どう見ても、強いチームの雰囲気ですね。
さすがに歴戦の猛者・西郷選手です。

案の定、強い勝ち方で勝ち進みます。
一回戦は大阪ガスに6-3で勝利。二回戦がJTを3-0で下します。
準々決勝はサンワード貿易に14-2の7回コールドで勝利。
準決勝もNTT東日本に9-2で勝利します。
そして決勝も、ホンダ熊本に2-0で勝ち、見事最後の大会で
黒獅子旗をゲットしました。

決勝の9回の最後の守備がいいなあって思ったんですよね。
この試合、酒井投手が7回をきっちり抑え、8回から
須田投手がマウンドに上がります。
須田投手も8回をきっちり抑え、9回のマウンドに立ちます。
1つアウトをとったところで、川﨑泰介監督がマウンドに。

最後はいすゞの選手で、しかも功労者である馬場投手で締めたい・・・
そういう気持ちがあったのでしょうね。
川﨑監督、須田投手にそれを伝え、詫びようとしましたが
須田投手もそのあたりをちゃんと察しています。
ちょっとにっこりしながら、「はい」と言ったそうです。
しかも、監督が声をかけるまえに、須田投手から声をかけたそうです。

何だかちょっとかっこよくありませんか?
須田投手、粋ですね~☆

馬場投手がアウトを1つとり、あと1アウトで優勝となります。
最後の打者に投げた6球は全てストレート。
しかも全て140キロ台のすごい切れ味だったそうですよ。

「あのボールは、いすゞの選手たちの思いを体現したものだったのかも
しれませんね」(70頁)とありますが、ぼくもそんな気がします。
最後の打者の時はキャプテンの藤澤選手もセンターの佐々木剛(久留米商)
も泣いていたそうですけど、みんなの思いを乗せた、魂のボールだったのかなあ。
これは選手だけではなく、スタンドで応援していた社員やファンの気持ちも
こもっていたような気がするんですよね。

何だかね、うまく言葉にはできませんが、最後の6球を全部まっすぐで行ったことなど
とってもよく分かる気がするんですよね。
全部まっすぐで仕留めることも、まるでドラマのエンディングみたいで
とってもかっこよかったりしますけどね!

いすゞ野球の集大成、みたいな大会だったかもしれないけど
もっともっと、見てみたかったなあというのが本音ですね。
by sidearm32 | 2006-10-09 19:58 | 野球・スポーツ
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